張り切って公園に来て、NINJA SHELTERを張り切らず帰った男【2020.10】

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2021年10月某日、雑魚が新たなテントの試運転を遠刈田公園で行うという情報を得た我々は、テント設営に同行し話を聞くことにした。

出発前 コロナ対策は万全に

――本日はよろしくお願いします。それは何ですか?

雑魚:ハイッえーとこれはですね、えーとえーと、えー、あの、あのあのあの、えー………
アイッ!!アッアッアッアルコールですね消毒用の、アルコール。コロナ禍ですから、アウトドアとはいえやっぱり、やっぱり念には念を入れてということで持っていこうかと思ってミント臭ッ!!

雑魚がシュッシュッとスプレーを手にかけると、辺りにはミント臭が漂った。

NINJA SHELTERの設営

遠刈田公園にて受付を済ませた雑魚が早速テントを設営するというので、我々はその様子を撮影しながら話を聞くことにした。

――そのガイドテープを使用してペグを打つ?

雑魚:ハイえー、多分そうです。出発前にね、動画を、見たんですけれども設営の。設営の動画。あの公式がねあっパーゴワークスの!公式の動画の設営の動画ですが。あるんです動画が。その動画で見た感じこのテープを使って4か所にペグを打つとテントが立ちやすい…いや立つんですおそらく。

ガイドテープを使い、4点ペグダウンするようだ。

煮え切らない口調で話しながらモタモタ作業する雑魚を眺めながら、ペグダウンが終わるのを待つ。
何を悩むことがあるのか分からないが、10分ほど経ってペグダウンを終えた雑魚は、次の工程へと進んだ。

――やっとテントの出番ですか

雑魚:あハイあっなんか広げにくいなコレ、なんでかななんでなんであっ絡まるかもヒモが…ヒモ…絡まって…ああ風が!!うっとうしいかも風、風がね、この風、泣いています…なんつってねヘヘヘあっ知りませんか風が泣いているってああ知らない?そうですか。ああ!!!広げづらい!!!!

特に広げづらそうな作りには見えないが…

シェルターというものの設営に慣れていない雑魚にとっては、シェルターを広げることが難しかったらしい。普通の人であれば、何も難しいことは無いような作りに見えた。

――向きは考えなくて良い?

雑魚:えっ、あー考えてなかったですね。ないんじゃないですかねチャックがいっぱいあるから。いっぱいチャックがあるからどこからでもヒッヒッヒッ開くと思うんですよね多分。

――それがポール?

雑魚:そうみたいですね。このポールがね、黒くてかっこいいんですよね、ニンジャスティックとは違うらしいんですけど何が違うんでしょうね?細くて軽くてこれ大丈夫なのかな、あっこれ長さも変えられるんですよこの突起を押すとね、シャコンって長さが変わるんですねよく分からないので最長にしますけど。写真撮らなくて大丈夫ですか?

勘の良い読者は気づいているだろうが、雑魚に話を聞く我々も雑魚である。
我々は雑魚であるが故にポールの写真を撮るのを失念した。だから何だというのか。

――ポールを中で立てる?

雑魚:そうです。チャックを開けてこの中に入ってね、中に入って…あっなんか閉塞感すげえ。ポールどこに立てればあっここだここに立てて、こっちにも立ててあっなんか斜めになるな、なんでだろうな分からないなガイラインを引っ張ればいいのかなあれなんか微妙だな…ああー……もういいか斜めで。

諦められたポール

黒くてかっこいいと評されたポールも、雑魚にかかればこの通りである。
テントではなく、設営者に問題があるのだろう。

――だいぶ形になってきました

雑魚:そうですね。あとはテント両端をップペグダウンしたら終わりなんじゃないかなと思いますけどね。こことここにペグを打ってね…あっ向きが逆ですね。ありましたねテントの向き。これだと広場の方には大きく開けられないです。

写真手前側が大きく開く面。本当は写真左側の広場に向けたかった。

――斜めになっていませんか?

雑魚:そうですね。ポールが斜めですから、テントも斜めになるんじゃないですか?当たり前ですよね。

雑魚の無知により傾いたテント

――次は?

雑魚:次、あー…次。いやなんかもう…。なんだろう。なんだろうな。なんかわかんないです。何かわかんないんですけど、多分僕もうこのテント使わないって今感じたんです。ニンジャタープとネストの組み合わせで使ったときに、もうちょっと屋根が大きかったらもっといいのかなって思ったんですけど、これもう屋根っていうか壁なんですよね。

――シェルターですからね

雑魚:壁になっちゃったら外が見えないし、もうムーンライトと大差ないのでは?と思ってしまって。もちろん入口を跳ね上げて屋根にできるとか、ムーンライトにはない強みはあるんですけど、跳ね上げのためのポールを準備するのはめんどくさいですし、そもそもそのポールを準備したとして、それを立ててライン引いてペグダウンして調整して…っていうのも面倒ですし。

――それは、買わなければ分からなかった?

雑魚:いや別に。買う前に考えれば分かる事ですね。

――思慮が足りなかった?

雑魚:思慮…、うん思慮。そうですね。

――頭のネジもですね(笑)

雑魚:…。

雑魚は無言でテントを畳み始めた。

設営未了のまま畳まれたテント

畳んだテントを収納袋に入れると、雑魚は遠刈田公園を後にした。
新しく買ったテントをウキウキで持ってきた男は、その数十分後に家路についてしまったのだ。

我々は伝えなければならない。この悲劇を二度と繰り返させないために。

テントを買う時はよーく考えよう。お金は大事だよ。

取材・文:雑魚  写真:雑魚
協力:雑魚

おわりに

インタビュー風の記事を書きたかった。
昔、自分で自分にインタビューするブログ記事を書いて、恥ずかしくなった記憶があるから。
成長した今の俺なら、そんなことにはならないって証明したかった。

書き終えた今、証明は完了した。

いくつになってもイタいものはイタい。

イタみを乗り越えて強くなっていけたらいいなと思います。

P.S.ペン型の除菌スプレーをズボンのポッケに入れてバイクに乗るときは注意が必要。

駐車場で変わり果てた姿になっていた除菌スプレー

テントが立たなかったうえ、スプレーが役に立たなくなりました。
でも、1つだけ立ったものがあります。

それは、私のお腹です。

おわり。

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